急成長ベンチャー企業が社内で氾濫する情報を交通整理するために取り入れるAIチャットボット活用術

AIチャットボットと言えば、ECサイトや企業のカスタマーサポート部門で導入され、お客様対応用として使われるケースが目立ちますが、実は企業内での社員からの問合せに応答する場面でも、AIチャットボットは活躍の場を広げています。

実際に社内導入する企業業種はさまざまですが、職種(部門)には一定の傾向が見られます。社内のあらゆる部署から同じような質問が何度も寄せられる総務部門や情報システム部門、人事部門など、主にバックオフィスでの利用が進んでいます。企業規模としては、もちろん従業員を多くかかえる大手企業が中心ではありますが、その他、数百名~1000名以下の成長ベンチャー企業でも積極的に活用されているのが現状です。 hafgagathattvsdv

社内情報が未整備のままでは成長の足枷となる

社員規模が数百名であり、これから1000名を超えようとする成長ベンチャー企業の社内では決まって同じような現象が起こっています。それは、日々バブルのように新しい社内情報が発生し、情報の交通整備が追いついていないということです。 毎月新しい社員が何十名と入社し、新規事業が立ち上げられ、業務システムが刷新され、書類申請フローが追加され、新しい福利厚生も敷かれていきます。その度に、担当部署がオリエンテーションを開き、新ルールを周知するものの、知らされた側の社員も、当事者になって初めて自分ごととして捉えるばかりで、結局、担当部署に同じような質問が殺到するわけです。

この状態では、2つの見えないコストが常に企業の成長の足枷となってしまいます。1つ目は、問合せを受け付けるバックオフィスのスタッフが「質問対応する」時間的コスト、もうひとつが、ほしい情報にすぐにたどり着けず、困ってしまう社員の「情報を探す」時間的コストです。 オリエンテーションによる周知は間違っていません。しかし、いざ当事者になってみないと覚えようとしない社員の姿勢もいつか変わると期待もできません。 73dcf6188c2f6f9f106623312f290508 s

成長ベンチャーのAIチャットボット活用術

こういった社内情報の管理とシェアの課題をAIチャットボットで解決する企業は、一体どのようにAIチャットボットを活用しているのでしょうか。 ひとつの成功パターンとして挙げられるのが、社内FAQとAIチャットボットの併用です。併用の方法は簡単で、社内FAQには情報をストックしてゆき、その更新も基本的には社内FAQで行います。そしてAIチャットボットはその情報までの橋渡し役として働いてもらう方法です。 なぜ、橋渡し役としてAIチャットボットを設置するかというと、よくあるケースとして、社内FAQは作ったものの、ほしい情報があまりにも深い階層にあり、探し手がその情報にたどり着けず、結局電話で問合せてくることが多々あるからです。また、確認のためだけに念押しで問い合わせをしてくる社員もよく見られます。 チャットボットであれば、少なくともほしい情報を探す範囲を絞ってくれることや、時にはピンポイントにほしい情報を提示してくれるよう稼動させることができます。また、情報の探し手はチャットボットに誘導(ガイド)されながらほしい情報にたどり着くため、FAQで自ら探し見つけた答えよりも、最終的に「これで正しいんだ」という確信を持つことができます。 3ddb6da40da928a16234f0939a9c7a22 s

情報の管理に優れたFAQと情報のシェアに優れたチャットボットを併用するのですが、どのように情報を取り扱っていけばよいのでしょうか。 取り扱い方法を決定する上で、社内情報を2種類の属性に区分することでスムーズな運用が可能です。社内のシェアすべき情報を、更新頻度の高い情報と低い(あるいは更新されない)情報にわけ、前者はFAQに、後者は直接チャットボットにQA登録していきます。 更新頻度が高い情報と言えば、業務に直結する規定やルール、書類が多いかと思います。更新頻度の低い情報と言えば、内線番号や問い合わせ担当者名、業務に直結しない申請書類などがそれに当たるのではないでしょうか。

このように情報を2種類に分け、FAQとチャットボットのどちらにストックしていくかを切り分けていくことで全体として情報の交通整備がなされ、社内問い合わせAIチャットボットのスムーズな運用ができるようになるのです。