チャットボットが働き方改革に効果的な10の理由

労働生産性の向上を目指す働き方改革。 人手不足等の要因も重なり、とくに中小企業ではITを活用した業務効率化が急務になっています。

RPAとともに業務改善に役立つツールがチャットボットです。 そこでチャットボットが働き方改革に効果的な理由について列挙していきます。

働き方改革とは

働き方改革は、労働生産性の低下の改善を目的とした政府主導の取り組みです。 長時間労働を是正し、単位時間当たりの労働生産性を高めるためには、OJTだけでは限界があります。 RPAやチャットボットなどITを導入することで、労働生産性の向上を図らねばなりません。

企業が取り組む働き方改革の実際

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日本の産業を支えるのが、日本の労働者人口の約7割が就業する中小企業です。 大企業ではAIなど大規模なシステム導入で労働生産性を高めることも可能です。 その一方で、人手や資金、時間の確保が困難な中小企業での労働生産性改善の手段は限られます。

働き方改革の取り組み状況

※2018年の帝国データバンクのアンケート調査より

帝国データバンクが中小企業2万3,099社から調査したアンケートによると、働き方改革に取り組んでいるのが37.5%、今後取り組む予定が25.6%です。 そのうちIT機器等のツール導入に取り組む企業が49.2%と約半数で、効果があったと回答したのが全体の21.5%。長時間労働の是正や休日取得の推進に続き、有効な働き方改革だと実証されています。

製造業や卸売業、サービス業に主に効果的で、従業員規模も5人以下から1000人超まで偏りなくシステム導入の効果が現れていると回答され、ITの導入は働き方改革に不可欠です。

働き方改革で効果のあった施策

※2018年の帝国データバンクのアンケート調査から一部抜粋

チャットボットが有効な理由

チャットボットは、入力された質問や会話に対し、適切な回答を自動的に返すツールです。 カスタマーサポートなどあらゆるシーンでの活用が期待されます。 働き方改革に効果的なメリットは数多く挙げられます。

メリット1:人事、総務等の業務で工数削減が可能に

総務や人事など、担当者への問い合わせの重複が起こりえます。 そのため時間がロスしたり、担当者の負担が増えたりします。 このような質問を適切に返すチャットボットの導入で、工数が減り、時間ロスや担当者の余分な負担が解消されます。

メリット2:営業・ヘルプデスクでは間に合わない問い合わせ処理を補完

営業やヘルプデスクの場合、担当者と必ずしも連絡できるとは限りません。 土日出勤や海外拠点からの質問、電話待ちなど、さまざまなシチュエーションが想定されます。

チャットボットならば24時間365日対応できるので、緊急の用事でもすばやく処理を行なってくれます。 質問を受ける担当者の立場からみると、返事に取られる時間を別の作業に充てられるので、労働生産性をアップできます。

メリット3:FAQ等の情報検索機能よりも効率的に運用できる

外部向けの公開FAQや社内用のマニュアル等の代替にも有効なチャットボット。 いずれも業務の省人化に貢献しますが、その効果がとくに高いのがチャットボットです。

従来のFAQ等の情報検索ツールの場合、ユーザーが検索しても目的の項目に到達しにくいなど、機能が十分に発揮できませんでした。 チャットボットの場合、質問や会話を入力するだけで回答が自動的に返されるので、ツールの利用に時間が取られることもありません。

メリット4:工夫次第でチャットボットが便利ツールに早変わり

チャットボットはマニュアルやFAQシステムの代替ツールとしてのみ機能するのではありません。工夫次第では、さまざまな業務にチャットボットが応用できます。

社内向けならば会議室予約や勤怠管理、外部向けならば書類の受付や商品・サービスの紹介等のサービスがチャットボットで代用可能です。 また新人やアルバイト、外国人社員の研修用にチャットボットを導入し、時間のかかる社員教育の省人化が期待できます。

メリット5:学習を繰り返すことで、精度の高いサービスへと変貌

ユーザーの入力に対する適切な返事や会話をAIで自動的に作り出すチャットボットも登場しています。 ユーザーによる学習回数が増えると、チャットボット内の知識も成長し、精度の高いサービスへと昇華されます。

担当者への質問の場合、回答にバラツキが発生しえますが、チャットボットならば同じ質問に対して同じ回答をチャットボットが返すので、回答も均質に保たれます。

メリット6:フレンドリーなUIで学習機能がアップ、サービスの維持が可能

スマートフォンのSNSアプリなど、普段からチャットの使用に慣れるなど、使い勝手のよさがチャットボットの魅力のひとつです。 キャラクターを用いた親しみやすいUIを構築可能で、チャットボットの使用が増加。それにともない学習機能が向上します。 結果としてユーザーの満足度もアップし、サービスを継続して使用できます。

メリット7:ハードウェア維持コストが発生しない

大規模なシステムを導入する場合、サーバーが必要など、ハードウェア維持費も負担になります。 一方チャットボットのようなツールの場合、クラウドがAIやチャットボット用のAPIを用意しているので、サーバーレスでサービスを利用するだけです。 そのため、ハードウェア維持コストが発生しません。

メリット8:人件費削減

ヘルプデスクの設置など属人化した業務の場合、人件費もかかります。 また情シスなどの専門的な質問の場合には、回答にたどり着くまでに時間もかかります。 チャットボットを活用すれば、特定業務の質問に対しても適切に返答するシステムが構築でき、人件費のカットや時間ロス改善に貢献できます。

メリット9:チャットボットのログから業務の改善も可能

チャットボットを設置することで、人だと気軽にできない質問も躊躇なく行なえます。 そのため、ユーザーから思わぬ質問がえられることもあります。 このようなチャットボットのログを、業務の改善に役立てることも可能です。

メリット10:ほかのサービスとの連携で、効率化に貢献

チャットボットが質問にうまく対処できない場合でも、FAQやメッセージボックス、電話連絡などを促すなど、別のサービスと結びつけることも可能です。 またSlack等のビジネス用SNSといった別のサービスと連携し、勤怠管理のボット化など幅広く応用可能です。 人に頼る割合も減り、効率化に貢献できます。

生産性向上を支援するチャットボット

外部用にも内部用にも使用可能なツールであるチャットボット。 単に属人化した業務を代替するだけが、チャットボットの利点ではありません。 チャットボットがもたらすメリットは広範に及び、生産性向上に大きく貢献するのです。