AIってなに?「画像認識とは」「チャットボットとは」

最近の経済ニュースでは、AI(人工知能)が登場しない日のほうが珍しくなりました。AIが囲碁の世界トッププロを破ったニュースはすでに「昔の功績」になり、AIは今、日常生活に浸透しつつあります。

しかし、AIについてよくわからない人は少なくありません。「AIとは、ものすごく優秀なコンピュータのこと」と理解している人もいるでしょう。しかしビジネスパーソンであれば、もう少し深くAIのことを知っておきたいはずです。 そこでこの記事では、「AIとは」といった基礎知識と、AIができること紹介します。

AIと機械学習と深層学習の違い

AIの定義についてはあいまいなところもあります。ただ「AI」「機械学習(マシンラーニング)」「深層学習(ディープラーニング)」と3つの言葉を並べて考えると、AIがみえてきます。

AIと機械学習とディープラーニングの3者の関係は以下のようになります。

画像、AI、機械学習、ディープラーニング (1)

AIとは知能を持つシステムである

AIとは何か?を具体的に説明できる人は多くはないでしょう。AIの現物をみたところで、それは記憶媒体に保存されたデータでしかありません。実際のところ、AIの定義は統一的には定められておらず、何をもってAIと呼ぶかは解釈によって変わってきます。

例えば、チャットボットやスマートスピーカーのような「聞けて話せるAI」に向かって人間が質問をすると、AIはその質問内容に沿った返答をします。この体験をした人は、コンピュータが「考えている」と感じ、知的な振る舞いをすることができる知能をもったシステムであり、AIであると結論づけることも出来ます。囲碁のトッププロとAI「アルファ碁」の対戦をみたプロ棋士は「AIに直感が備わっているようだ」と評したという例もあります。

このようにシステムが知的な振る舞いをできるようにするには、「機械学習」という技術が使われているケースが多く、昨今の解釈ではこの機械学習を用いて作られたシステム、あるいはその機能に対して「AI搭載」と標榜する例が増えているという現状があります。

AIには機械学習という技術が使われている

機械学習とは、1)膨大なデータのなかから特徴と法則をつかむことができるシステムあるいはプログラムであり、2)分類・回帰など分析・予測できるものです。機械学習は、人の知能に近い仕組みの一部を模倣出来る技術です。

機械学習で実装されたシステム、あるいはプログラムは、大量の犬の写真と大量の猫の写真のなかから、犬の写真だけを選ぶことができます。写真のデータをもとに犬の特徴と犬の法則を学ぶことができるからです。また、一度法則をつかんだ人工知能に、別のデータを与えると、将来の予測をすることができるようになります。

 脳神経を模したニューラルネットワーク

ディープラーニング(深層学習)は機械学習アルゴリズムの1カテゴリで、一般的にはニューラルネットワークを多層化したものがそう呼ばれます。ニューラルネットワークとは、人の脳神経回路を模した技術で、機械学習アルゴリズムの中でも、データと結果の因果関係が複雑なものを分類・予測するのに長けているものです。

AIはこのディープラーニングの技術が進歩し、特に画像分類タスクの分野で飛躍的に精度を上げることができました。その反面、従来からある機械学習アルゴリズムと比べて、教師データが大量に必要になり、より効率的に質の良い教師データを収集することが課題となっています。

AIができること(1)画像認識

それでは次に、AIができることをみていきましょう。まずは画像認識です。先ほど、AIは犬の写真と猫の写真を区別することができる、と紹介しました。これは、囲碁の世界トッププロを破ったのと同じくらい「すごい仕事」といえます。

ディープラーニングでは、画像データとそのラベルを与えるだけで、重要な特徴量を自ら 判断し、精度を上げていくことができます。例えば、犬の写真に「犬」というラベルをつけ、猫の写真に「猫」というラベルをつけてディープラーニングに学習させると、見事に両者を見分けられるAIを作ることが出来ます。

例えば、Googleの画像検索を使ったことがある方も多いと思いますが、検索ワードに一致する写真を検索できるのは、その写真に何が写っているのかをAIが知っているためです。 h3 サングラスをかけていても、横顔でも認識できる 現代のAIの画像認識機能はさらに進化していて、数万人がいる空港のなかから犯人の顔を探すことができますし、サングラスとマスクを着用していてもみつけることができます。 KDDIは、横顔でも本人を特定する表情認識AIを開発しました。このように一部のタスクでは人間よりも優れた精度を、AI画像認識で実現されている例も存在します。

AIができること(2)チャットボット

画像認識と並んでよく機械学習の技術が応用されている事例として「対話」があります。当然、人間同士で対話するのは誰にとっても難しくないことですが、実はシステムにとっては大変難しいものです。

例えば日本語の場合、ある単語がどの単語を修飾しているのかなどの係り受けの問題や、主語省略、送り仮名の表記ゆれの問題。金(キン)や金(かね)などの同じ文字でも異なる意味を持つもの。システムが解釈するにはあまりにも膨大かつ暗黙的なルールがあります。

最近ではチャットボットという、システムと人間がチャット上で会話できるサービスも増えてきました。ここにも機械学習の技術が使われており、文章の意味をある程度理解・解釈して、最適な返事をするようなことが実現されつつあります。

しかし、画像認識システムと比べると、その複雑性の問題から、まだまだ発展途上であり、様々な研究から少しずつ進歩しているという状態です。AI搭載のチャットボットと言えども、人と同じように対話ができるようなAIの実現はまだまだ遠く、限定されたある目的達成のみを前提としたものが主流となっています。

例えば、株式会社ティファナ・ドットコムが開発した「AIさくらさん」は、イオン、羽田空港、セブン&アイホールディングスなどが導入しているチャットボットです。AIさくらさんは、チャットで会話するだけでなく、受付業務を代行したり、企業のコールセンター業務の一部を請負ったりしています。

まとめ

AIの基礎知識を解説し、生活に浸透しているAIを紹介しました。AIはいずれ、インターネットやパソコンのように身近に存在する当たり前なものになっていくものだと思います。そしてインターネットとパソコンが人々の生活を一変させたように、AIも人々の生活をより便利なものにするでしょう。